大学進学や就職などのタイミングで上京する人はたくさんいます。
その際に欠かせないのは住む場所を探すことです。
いろいろな観点から慎重に探さないと、せっかく引っ越しを済ませてもまた他に移ることになりかねません。
よくあるのが物件の中だけを見て決めてしまうパターンです。
たとえば、お風呂と便所はセパレートが良いと考えている人は、それで家賃が手頃なところを見つけると即決してしまうことがよくあります。
また、音楽を聴くことや楽器の演奏が趣味である人は、防音設備が充実しているところを選びがちです。
いずれにしても、それらで叶えられる要望はある方面に特化していることになります。
そうではなく、実際に生活が始まったところをイメージして住みやすいかどうかを検討するのがポイントです。
人によって優先順位には差がありますが、最寄駅からの距離は考慮しなければなりません。
不動産屋の広告では、徒歩10分圏内になる物件は強烈にアピールされるのが一般的です。
それだけ生活の利便性に直結する要素であるということであり、築年数と同じように絶対的な尺度として重視されています。
いくら素敵な物件でも最寄駅まで30分もかかるなら、毎日の生活はとても疲れやすいものになるでしょう。
バスの路線が近くにあれば利用する手もありますが、その分だけ出費が大きくなることを計算に入れておく必要があります。
大学や会社の徒歩圏内に住むという選択肢もありますが、これにはデメリットもあるので注意しなければなりません。
近いということで集まりやすく、友人たちのたまり場にされるケースが多いです。
活動範囲が狭くなりやすいので、異性との出会いの機会などに恵まれにくくなるのも問題です。
それらも考慮したうえで決定する必要があります。
また、近くに生活に必要な店舗や施設が揃っていることを確認することも欠かせません。
病弱な人であれば、近くに大きな病院があると安心感があるでしょう。
自炊を中心に考えているなら、安いスーパーが通りに道にあれば重宝します。
反対に外食が中心であれば、近隣の飲食店の多さが重要になるのです。
そう言われると、とにかく店舗や施設が多いところを選んだほうが良いと考えるかもしれません。
たしかに利便性だけで見ればメリットが大きいですが、デメリットもあるので気を付けましょう。
店舗などがたくさんあるということは、それだけ人通りも激しくなるということです。
夜の遅くまで人の気配が途絶えなかったり、朝早くから荷物の搬入が行われることもよくあります。
外からの音や光に悩まされて、安眠できないような生活になることもあるのです。
そのような懸念を減らしたいなら、昼間に物件を身にいくだけでなく、夜間にも訪れてチェックしておくのが望ましいです。
夜にしか営業していない店舗などの存在に気付ける場合もあります。
自分の利用する駅に停車する電車の種類をチェックすることも忘れてはいけません。
いくら駅に近くても、各駅停車の電車にしか乗れないなら不便だと感じることもあるでしょう。
複数の線路が乗り入れていると使いやすく、特急や急行なども停車する大きなターミナル駅が理想的です。
出発地点になっていれば、電車で座って通勤できる可能性が高まります。
ただしラッシュが苦手であれば、各駅停車の電車しか止まらない小さな駅の近くに住むのも一つの手です。
職場から極端には慣れていなければ、時間はかかりますがゆったり通勤できる場合があります。
田舎に住んでいると都会のラッシュをイメージしにくいので、これらの観点が抜け落ちやすくなります。
したがって、可能であればビジネスホテルなどに泊まって、事前にラッシュを体験してから決めるのが得策です。