はじめまして、薬剤師の桐山彩子です。
調剤薬局で11年間、患者さんへの服薬指導に携わってきました。
「薬は決まった時間に飲むのに、栄養素やサプリメントっていつ摂ればいいんですか」
これは薬局の窓口でも、よく聞かれる質問のひとつです。
特に「就寝前」は、体にとって少し特別なタイミングです。
今日は、就寝前に意識したい栄養素と、夜のルーティンで気をつけたいことについてお話しします。
就寝前に摂りたい栄養素、何を選べばいい?
就寝前の体では、日中とは違うことが起きています。
まず知っておきたいのが、トリプトファンという必須アミノ酸です。
厚生労働省の情報によると、トリプトファンは体内時計に関わるホルモン「メラトニン」の材料になります。
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「メラトニン」
メラトニンの血中濃度は、昼間は低く、夜間に高くなるという特徴があります。
体を眠りに向けて整えていく、いわば「夜のスイッチ」のような存在です。
トリプトファンは体内で作ることができないため、食事から摂る必要があります。
乳製品や大豆製品、魚介類などに多く含まれているといわれているので、夕食のメニューに一品加えてみるのも良いでしょう。
もうひとつ、薬局の相談でお伝えすることが多いのがカルシウムです。
カルシウムには、神経の興奮を抑える働きがあることが知られています。
不足すると、神経や筋肉の興奮が高まりやすくなるとも言われています。
参考:健康長寿ネット「カルシウムの働きと1日の摂取量」
ただし、これらの栄養素は「摂ればすぐ眠れる」という即効性のあるものではありません。
日々の食事や習慣のなかで、少しずつ整えていく意識が大切です。
夜のルーティンで気をつけたいこと
栄養素と同じくらい大切なのが、就寝前の過ごし方です。
厚生労働省は、快眠のために気をつけたい生活習慣をいくつか挙げています。
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
薬局の相談でも、次の3つはよくお伝えするポイントです。
- 就寝直前の食事は避け、消化の負担を減らす
- カフェインを含む飲み物は、就寝の5〜6時間前までに控える
- スマートフォンの画面は、就寝前は輝度を落とすか使用を控える
特にカフェインは、コーヒーだけでなく緑茶やチョコレートにも含まれています。
夕方以降の摂取には、少し注意が必要です。
こうした小さな習慣の積み重ねが、翌朝の目覚めの違いにつながっていきます。
青汁を夜の習慣に取り入れるという選択
就寝前は、栄養補給という意味でも見直したいタイミングです。
睡眠中は思った以上に汗をかいており、水分やミネラルが失われています。
就寝前にコップ1杯の水分を摂る習慣は、それを補う意味でも理にかなっています。
私自身、患者さんに水分補給をすすめるとき「ただの水より、少し栄養が摂れるものはないか」と聞かれることがあります。
そんなときに選択肢のひとつになるのが青汁です。
寝る直前の飲食は胃腸に負担をかけるため避けたいところですが、就寝の2時間前までであれば、水分とあわせてビタミンやミネラルを補給できます。
時間帯や目的による飲み方の違いについては、青汁の飲むタイミングについて詳しくまとめたページが参考になります。
朝と夜、どちらのタイミングにもそれぞれの理由があります。
自分の生活リズムに合わせて選べるのも、続けやすさにつながる利点だと感じています。
まとめ
就寝前は、栄養面でも生活習慣の面でも、見直す価値のあるタイミングです。
- トリプトファンやカルシウムなど、夜に意識したい栄養素がある
- 就寝直前の食事やカフェイン、スマホの使用は控えめにする
- 水分・栄養補給の一つとして、就寝2時間前までの青汁も選択肢になる
薬に決まった飲み方があるように、栄養素にも体に合ったタイミングがあります。
今夜のルーティンから、少しずつ見直してみてはいかがでしょうか。



